人生・思考

『子供/孫に勤めてほしい企業ランキング』を投資家目線で眺めてみた

こんにちは。配当で人生を豊かにしたい転職エージェント、灰藤です。

今日はこどもの日ですね。

さて、お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業ランキングのアンケート調査結果が公表されました。

調査対象は子供あるいは孫をもつ20~69 歳の男女個人、計800人ということです。

子供/孫に勤めてほしい企業ランキング

結論:ランキングはこちら

順位企業名都道府県業種回答率
1国家公務員-公務16.0%
2地方公務員-公務13.3%
3トヨタ自動車愛知県自動車製造業10.8%
4任天堂京都府玩具等製造業6.9%
5パナソニック大阪府電気機械器具製造業5.4%
6アップル(Apple)東京都電気機器製造業5.3%
7三菱商事東京都総合商社4.8%
8伊藤忠商事東京都総合商社4.4%
9ソニー東京都電気機器製造業4.1%
10日本航空(JAL)東京都航空運輸業3.9%
11サントリー大阪府飲料品製造業3.8%
12全日本空輸(ANA)東京都航空運輸業3.6%
13グーグル(Google)東京都インターネット付随サービス行3.5%
14本田技研工業東京都自動車製造業3.1%
14三井物産東京都総合商社3.1%
16オリエンタルランド千葉県娯楽業2.8%
17日清食品東京都食料品製造業2.8%
17日立製作所東京都電気機械器具製造業2.8%
19アマゾン東京都無店舗小売業2.6%
19カルビー東京都飲料品製造業2.6%
19三菱UFJ銀行東京都銀行業2.6%

リスモン調べから引用

調査元はリスクモンスター社です。ランキング100社分は上記リンクからご確認ください。

投資家目線で眺めてみてどうか

前項で20位まで記載しましたが、皆様はどのようにお感じになられたでしょうか。

公務員が1位、2位を独占し、トヨタ自動車が3位となっている点については、従来の傾向が続いているようです。

一方で

セグメント別の集計結果では、子どもの勤務先として任天堂がトヨタ自動車を上回ったことや、男子の勤務先としてトヨタ自動車が地方公務員を上回ったことが、従来からの変化として挙げられます。

リスモン調べから引用

ということで、昨今の経済情勢や個々の産業構造の変化に反応する形で徐々に意識変容も見られるようですね。

灰藤個人の感想

「国家・地方公務員」を選択した回答が合計30%近く。

個人投資家かつ転職エージェントである灰藤としては、とても考えさせられますね。

たしかに、転職エージェントをやっていると、面接対策を根詰めて取り組まれていた志望度の高い候補者の方が、内定が出てご家族に相談された際に強く反対され、そういった「親ブロック」「嫁ブロック」で結果的に辞退をしてしまう…といったケースが時々あります。

そのため企業様からも、最終選考が近づくとあらかじめ候補者ご自身と家族のご意向に相違がないかを入念に確認いただくことがあります。

上記『リスモン調べ』内でも「オヤカク」について触れられていますね。

 

灰藤

世の中にはもっとイケている企業も多いですが、なぜこういったラインナップになるのでしょうか?

親・祖父母が選んでいることが大きい

これをいうと本末転倒ですが、上記企業群は就活生ではなく、親・祖父母が選んでいることが要因として大きいでしょう。

つまり、

  1. 保護者としての視座で過度に安定を求めた選考となっている
  2. 親/祖父母の時代の感覚で選んでいる

こういったバイアスがかかっているランキングだということです。

 

安定を強く求めている点は『リスモン調べ』内でも触れられていますね。

一方で、当然ですが就活生自身も安定性を求めていないわけではないようです。

下の項で述べますが、企業群は多少異なるものの「今の基準に照らし合わせたときに安定してそうな企業」というだけで、志向自体は大きく変わっていないように見受けられます。

 

また2点目の時代の違いも要因として大きそうです。

要は、親/祖父母世代と産業構造が変わっている中で、本当に今もオススメできる?という話ですね。

 

最後に、子/孫である就活生自身の選好とのギャップを確認しましょう。

就職したい企業ランキングとのギャップ

実際の就活生の選んだ「就職したい企業ランキング」と並べて比較したのが以下です。

灰藤

う~んw正直そんなに変わっていないような気もw

鉄道・食品・通信業界が加わって安定感は増した

JR東海JR西日本JR東日本といった鉄道企業が分かりやすくランクインしてきましたね。

またグリコ味の素といった食品業界もランクインしてきたのが印象的です。

また「NTT」と安定性好みを感じさせる冠がついてはいるものの、通信業界も入ってきました。

 

鉄道業界はインフラの側面もありながら、不動産開発にも力を入れており、参入障壁も非常に高いビジネスですから、盤石・安泰なチョイスとなるでしょう。

特にJR東日本は、地方に多くの赤字路線を抱えていますが、それでも首都圏からの収入が圧倒的に下支えとなっています。土地開発にも手腕を発揮しており、その座は安泰といえるでしょう。

JR東海はドル箱の東海道新幹線の存在が大きいですね。リニアの開発はどうなるか?は気になりますが、量子テレポーテーションなど画期的な移動手段が開発されない限りは半永久的に繁盛するでしょう。

 

食品業界も生活に直結していることからインフラ的な役割を担っているとも言えます。また今回のランキングに出てきているのはブランド力・商品力が強い企業です。

そういった意味で参入障壁は高く安定していると言えそうです。鉄道業界と同じ構造ですね。

NTT2社にも共通して、「生活直結×参入障壁高い」は景気変動に左右されずに利益を挙げられるビジネスでしょう。

また味の素は実は電子材料も取り扱っており、半導体製造には欠かせない絶縁材料でも世界トップシェアとなっています。

詳しくはこちらのエントリーで取り上げています。

 

しかし油断は禁物。

例えば、「親/祖父母が勤めてほしい企業」ならびに「就活生が働きたい企業」のどちらにもランクインしている、トヨタ自動車

すでに今でも車のコモディティ化が進み、中韓インドなどの新興メーカーが急速にシェアを伸ばしています。また自動運転や電気自動車というイノベーションは業界地図を塗り替える可能性があります。

まずはEVではテスラ。今後の自動運転ではどの国のどの企業が覇権を握るかはまだまだ分かりません。

パナソニックソニーといった家電メーカーも同様に、かつての「メイドインジャパン」艦隊は力を失いつつあります。

※一方でソニーは金融屋、コンテンツ屋としての面もあり、意外にそれが強みになっています。

ソニーとアポロがパラマウントに買収案を提示

「働く」とは「人生を投資する」ということ

「投資」とは、我々が行うような「利益を期待して資金を投じること」のみを指すのではありません。これは金融投資です。投資の1つ。

Wikipediaによると、「投資とは、主に経済において、将来的に資本を増加させるために、現在の資本を投じる活動を指す。」とのこと。

「資本」とは「元手」。つまりリソースです。ヒト・モノ・カネと言ったりするあれです。

「ヒト」とは、時間であり労力であり知識。企業からすれば1労働者ですが、労働者たる我々一個人からすれば人生に他ならないでしょう。

我々は自分の人生という資本を投じて働いているので、働くとは人生を投資するということなのです。

 

また一方で、投資には不確実性がつきものです。つまり、資本を投じたからと言って必ず利益が返ってくるわけではないということです。

株式投資でも、良くない銘柄を掴んでしまってはリターンは得られません。「罠銘柄」という単語もありますね。

 

今回のランキングはほとんどが上場企業ですが、子供や孫に当該企業の株をガチホすることを勧められるでしょうか?

また公務員が上位ですが、日本国に投資すると捉えたときには、日本国債への投資を勧めますか?

極に振った思考であるのは承知していますが、そう考えたときにはランキングも変わりうるのかなと思った次第でした。

 

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灰藤

転職エージェントをしているアラサーです。 2017年から少しずつ株式投資をしていますが、 2019年から本格的に資金投入し始めました。 日米の高配当銘柄を中心に投資をしています。 配当を積み上げていくことで人生を豊かにしたいと思っています。 現在の総資産は1,769万円です(2024年4月時点)

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